「商店街は街の顔」神奈川県商店街活性化条例施工

 商店街の「にぎわい」は昭和時代の産物なのか? 商店街の歯の抜けたような状況を称して「シャター通り」「シャター商店街」と呼ばれて久しい。

  どうしてこうなったのか?様々な要因が挙げられている。スーパーマーケットの出現。大型店の進出。車社会の到来。毎日の買い物から週一回の買い物動向。生活習慣の様々な変化等が挙げられている。

  しかし、街の中核としての商店街の存在は日々のくらしにとって大切なものであり、昔日の「にぎわい」を創出することは街や人々の責務でもある。

 こうした現状を悲観したり、批判を繰り返しても街は生き返らない。行政も種々の施策を提案したり、対応はしている。しかし一向に課題が解決に向かっているとは思えない。

 二元代表制とはいうものの、議会が政策課題について条例が提出されることはほとんどない。今の議会制度のなかで提案する為のスタッフや予算が整備されていない。神奈川県でこうした政策条例が提出され、審議され、可決されてから54年の歳月が流れている。 

 昨年12月、私は決意を固め仲間を募り、自ら会長を務める「商店街振興議員連盟」の組織を活用しつつ「活性化条例」を提案した。 議員が提案し、議員が質問し、答弁する。かつてない迫力ある議論を経てこの条例は可決された。

  議会で政策課題条例が可決されたことにより、各市町村は条例の制定、要項の作成、ガイドラインの制定など新たな動きが出現し、議論されるようになってきた。
より極こまやかな施策が展開され、もう一度商店街の「にぎわい」を取り戻そうではないか。

 この条例の概要をここに掲載する―

牧島 功




神奈川県には約1,200の商店街がありますが、その多くは様々な原因により衰退傾向にあります。その原因の一つとして、商店街組織に加入していない店舗の存在が指摘されています。

このような未加入店舗にも商店街に加入してもらうことなどにより、商店街の活性化を図ることを主たる目的として、平成19年12月に「神奈川県商店街活性化条例」を制定し、平成20年4月1日より施行します。

神奈川県内の商業について、商業統計調査の結果によれば、小売業の事業所数は平成3年から平成16年までの間に72,267から59,776と、事業所数で17.3%減少しています。

これを店舗面積別にみると、商店街の店舗の大半を占める100平方メートル未満の小規模事業者の割合が約8割です。

1,000平方メートル以上の大型店舗の数は増加していますので、主に小規模事業者が減少している状況です。

小売業の事業所数の推移(商業後継調査)

※H11年度は調査対象を拡大したため
件数が増加しています。

多くの中小企業者の集まりである商店街は、もともと、地域の人々の買い物の場であるとともに、イベントの開催地域住民のための共同利用施設の設置により、地域コミュニティの核としての機能を持っています。

(社)神奈川県商店街連合会加盟商店街数

近年、このような商店街の多くは、消費者ニーズの変化や郊外型大型店舗の立地、経営者の高齢化や後継者不足などのために、衰退が続き、地域活力の低下の一因ともなっております。

神奈川県商店街活性化条例

(目的)
第1条
この条例は、商店街が地域社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、チェーン店、大型店をはじめ、すべての事業者がその事業を営む地域の商店街における活動に積極的に参加し、協力することを目的とする。
   
(定義)
第2条

この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1)事業者 商店街において事業を営む者をいう
(2)商店会 事業者が商店街の活性化を図ることを目的として組織する団体をいう。

   
(県の責務)
第3条
県は、市町村と連携して、商店街の活性化を図るために必要な施策の推進に努めるとともに、市町村が地域の実情に応じた施策を推進することができるよう、必要な支援に努めるものとする。
   
(事業者の責務)
第4条
事業者は、商店街の活性化を図るため、商店会への加入に努めるものとする。
  2 事業者は、商店会が実施する商店街の活性化を図るための事業又は地域貢献の取組に積極的に参加するとともに、応分の寄付をすることにより、当該事業又は取組に協力するよう努めるものとする。
   
付 則  
この条例は、平成20年4月1日から施行する。

◆条例の目的
  この条例は、大型店やチェーン店をはじめ、商店街で事業を営むすべての事業者の方が、商店街組織に加入し、また、その活動に積極的に参加、協力していただくことにより商店街の活性化を図ることを目的としています。
◆県の責務
  県は、事業者の方の商店街活動への参加、協力の機運を高め、商店街の活性化を図るため、市町村と連携した商店街活性化施策の推進と、地域の実情に応じた市町村の取組に対する支援に努めます。
◆事業者の責務
 

事業者の方は、商店街組織への加入に努めていただくとともに、商店街が行う事業や地域貢献の取組に積極的に参加していただくよう努めてください。

◆県民生活の向上
  商店街組織への加入促進が進むことで、商店街のにぎわいが増して、活性化が図られると、商店街だけでなく、地域社会の発展にもつながります。また、その地域に住んでいる県民の方々の生活の向上にもつながるため、商店街の活性化はとても重要な課題となっています。
◆商店街の方へ
 

この条例では、商店街の方の責務などについての規定は設けていませんが、商店街活性化に向けての取組は、今まで以上に、商店街の方ご自身が進めていただくことは言うまでもありません。

事業者の方に加入のお願いをする際には、商店街の活動方針や将来像を掲示したり、年度ごとの事業計画や収支計画を示すなどの説明をしていただくことが重要です。

今回制定されたこの条例を十分にご活用していただき、商店街への加入促進と活性化に向け、引き続き取り組んでいただくようお願いします。そのためにも県も市町村や商店街団体などと連携して支援を行ってまいります。


商店街活性化条例の制定は、商店街にとって長年の念願でした。地域コミュニティづくりに貢献する立場からも、大型店やチェーン店の皆様も商店会に加入し、商店街活動に積極的に参画していただきながら、共に地域のコミュニティづくりなどに取り組みたいと願っています。

また、「会員拡大元年」になるよう、現実に加入促進を図る単位商店会の皆様や区連の皆様が活動しやすいように様々な工夫や提案をしてまいる所存でございます。

社団法人神奈川県商店街連合会
会長 和田義盛



「神奈川県商店街活性化条例」が、議員提案のもと、全会一致で可決されましたことは大変意義深いものと感謝しております。

商店街は単なる買い物の場としての機能ではなく、地域の安全・安心やシルバー世代・子育て世代に対する対応など身近なコミュニティの空間として重要な役割を担っています。

商店街を構成してくださる皆様に商店街組合にご加入いただき、さらなるご協力が得られますことを強く望むものであります。

神奈川県商店街振興組合連合会
理事長 増田 茂