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梅沢 岳臣 (うめざわ がくしん) さん
 銀座松屋7階ギャラリ− 正月の買物客で混み合う店内の騒音のなかでこの一角だけは澄みきった透明感に包まれていた。中学、高校の先輩でもある梅沢岳臣先生の個展会場のたたずまいがそれであった。
 
 主としてスぺインの街角の風景が作品の主流である。もちろん田園の描写もある。しかし梅沢岳臣の世界といえば街や壁、路が主役である。しかしこの主役達の表現は年毎に変化している。赤い屋根が光彩を放つ時代があった。青い空と白い壁のコントラストのなかで生命の躍動と静寂の時代でもあった。

  白い壁面が主役の時代が次に誕生した。光と影の時代と感じた。今は白と青の時代といってよいだろう。この青さは一体どこからくるのだろうか? 確かに舞台はスペインの街だ。赤や白の時代を解説するのはそれほど難しいことではない。しかし青の表現を筆にするのは 極めて困難だ。結論からいえば、梅沢岳臣の世界は進化し更に何色の時代が来るのか無限の可能性を秘めた時代と呼ぶのだろうか。



牧島: 個展おめでとうございます。さすが銀座ですね。お客様の数も多いし。

梅沢: このギャラリ−はステイタスが高いですね。ファンの方々もおいでになりやすいし喜ばれています。

牧島: 先輩は馬堀中、横須賀高と文字どおり一歩先行く先輩ですが。

梅沢: 馬中時代に佐々木先生と立会い この世界に足を踏み入れることになりました。文化際で「鐘の鳴る丘」を水彩画で創りました。コマ切作品で大作でした。今でも記憶は鮮明です。

牧島: 「鐘の鳴る丘」ですが、時代を感じますね

梅沢: それから横高宮川先生に師事しました。1期上に島田章三先輩がおられました。この時はもう油絵の世界にめりこんでいました。

牧島: それから芸大へ?

梅沢: そう簡単には・・・ 一浪しました。荻窪の3時間、往復6時間かけて予備校ともいうべき研究所がよいでした。

牧島: それでは勉強の時間が無い。

梅沢: いや寝る時間がない生活でした。芸大卒業後も悲惨でしたよ。

牧島: 何で生計を、まだ作品は売れないでしょう。

梅沢: 買ってくれる人なんてもちろんいませんよ。生活の為に少年院の絵の先生になりました。

牧島: 少年院ですか?

梅沢: 今、思いだしても若かったしはじけていた気がするね。

牧島: どんな風ですか。

梅沢: 「ぼうず」頭の院生と一緒に風呂に入り、コミュニケ−ションをはかったり今ではとても・・・。それにペン画を教えていたのですが、墨がなくなるんですよ。

牧島: どうしてですか。

梅沢: いれずみに使うのだと後で解りました。

牧島: それは大変な時代だ。

梅沢: 次に今はもうないのですが信昭学園の講師に。

牧島: 信昭は憶えています。しかし夢があるとは思いませんね。

梅沢: すべてに「華」がなくてね、土地にも人にも。次に逸見幼稚園で絵も教えたりね。

牧島: 私もときどき幼稚園や保育園で話をするのですが一番難しい。

梅沢: 幼稚教育は難しいですよ。次にようやく県立平沼高校へ講師から教師へと進みました。

牧島: やっと普通の生活に。

梅沢: 11年間奉職しました。生活は安定しますが今後は創作意欲との戦いで・・。退職金をありがたくいだき辞めました。

牧島: 活動は日本で?

梅沢: そうです。川や運河、レンガの建物、風景画を一心不乱に描きつづけました。。

牧島: それからスペイン。

梅沢: 作品を創るうちに日本の風景を油絵で表現するのはどうなのかと思い始めて、どうしても似合わないと感じはじめて。

牧島: それでスペインですか。

梅沢: 油絵の具にふさわしいのは・・・。石の文化 乾いた空気 青い空 白い壁、こうした回路をたどるとそこはスペイン。

牧島: わかりやすいですね。それに共鳴できます。

梅沢: 10年間 スペインで没頭する毎日でした。まさに充実の時代ですね。
牧島: 私は前から先生の一ファンで数多くの作品を観させていただいていますが時代によって変化がありますね。

梅沢: 自分の心の変化が投影されるのだと思います。デッサンや構図や描きたいものの変化は余りない訳ですから。表現、表し方の変化が色彩の変化となってくるのだと思います。

牧島: 特に今年の主役は「青」ですね。

梅沢: 技法は多少変化しています。というよりこだわりが強くなってきて、今回のような作品は時間と労力が過重でより透明感を求めるあまり、塗っては削り、乾いては塗り、更に削り時間はかかります。

牧島: 作品から情熱の程が感じられます。

梅沢: 結局 青は女性の色なんですね。透きとおっていないとだめなのです。きっと今の私の心境は「静」「澄」「蔭」の世界なのですよ。

牧島: 今日は梅沢岳臣の世界を満喫しました。

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