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南後 裕 (なんご ゆたか) 氏
◆ J−COM湘南 社長
 おだやかな風格、柔かい物ごし、大阪なまりの語り口、南後社長は昭和17年生、来年は還暦を迎える。一見したイメージと全く別人の溢れるような情熱こそ、南後社長の本質である。若さと才気に満ちたインタビューを今月は贈りたい。  

牧島: 本年4月、藤沢ケーブルテレビと茅ヶ崎、寒川ケーブル、そしてCATY(横須賀ケーブルテレビジョン)が合併してJ−COM湘南が誕生しました。その初代社長の南後さん、経歴を紹介して下さい。

南後: 大阪の府立池田高から大阪府立大学に進み、松下電器に入社しました。その後、松下政経塾の立ち上げに参加し、茅ヶ崎に来ました。政経塾には総務部長、いわば教頭職のような仕事で若い優秀な諸君と係わり、第1期生から13期生まで育てました。

牧島: それがどうしてTVの世界に。

南後: その後、行政、そしてJC、小田急電鉄、松下電器が合同で藤沢ケーブルテレビを創設することになり、この世界に入った訳です。

牧島: CATYもそうでしたが最初は苦労の連続で。

南後: 素晴しい人脈はあったのですが、全員が0からのスタートで、ずいぶん厳しい局面がありました。

牧島: 地域のメディアとして、文化の担い手として近隣の地域もケーブルテレビに着目し、新しい気運が生まれましたね。

南後: そのとおりです。横須賀を中心に、服部湘南信金理事長をコアとして、三浦市、葉山町、逗子の一部をエリアとするCATYが華やかに誕生しました。

牧島: CATYの立ち上げから私も参加しましたが、初めは横須賀と葉山だけだったのです。当時の電波管理者は今でもそうですが、頭が古くて参りました。ケーブルテレビは一行政体一つだと主張し、広域は認めないと言うのです。しかし横須賀と葉山にまたがる湘南国際村には、どうしたら敷設できるのかという議論になり、一市一町の開局が可能になりました。

南後: それから三浦市、逗子市とエリアの拡大をしたのですね。

牧島: そうです。

南後: やはり人口が3万〜5万ぐらいの街で開局するのは不可能ですよ。それから松竹を母体とする鎌倉ケーブルコミュニケーションも誕生しました。更に茅ヶ崎と寒川町にもCATVが創られました。

牧島: 後に茅ヶ崎と寒川は合併しますね。

南後: そうです。それが今年、鎌倉を除き大合併してJ−COM湘南となりました。

牧島: 加入所帯は?

南後: 今日現在 CATYが50,000
     藤沢が27,000
     茅ヶ崎が25,000
 計10万所帯を超える加入者です。 これはJ−COM関西、J−COM東京に次いで全国で3番目の規模なのです。又、52channelの加入者と近年の延び率は全国トップで私達は自信を深めています。

牧島: 今、小泉内閣が市町村合併を推進しようと大テーマを打ち上げ、2005年までに実を上げようと懸命ですが。

南後: 先生も「湘南市」論争で大変ですね。私達は一歩先に三浦から茅ヶ崎まで全部含めて湘南ですから。

牧島: 湘南市論争はここではさておき、合併する動機は?

南後: 行政も同じですが、同規模の施設が各地に存在するのは効率も悪く、経済的でない訳です。企業は経営不振になれば倒産ですから、必死に考え、行動し、市民サービスを向上させながら経営も可能にする手段は合併しかないのは当然なのです。簡単にいえば、今まで3人の社長を1人にする訳ですから、もっとも単純な改革なのです。その点、行政は借金、起債の先のばしで生きのびようとしている訳で、やがて限界になりますよ。いや今まさに限界なのに行動しない、これは問題です。

牧島: そのとおりです。地域の財政上のきびしさはいうまでもなく、無駄な投資が多すぎます。せまい地域にいくつもの美術館を建てようとしたり、大規模な劇場をつくったり、ゴミやダイオキシンといった環境整備も小さいパイでは解決できないし、地方自治は財政上からも市民サービスの点からも限界にきているのですよ。

南後: 民間の経営理念からすれば、このサバイバル時代を勝ち抜いていくには、小異を捨てて合併しかないのです。その点、市町村には危機感がないのですね。

牧島: いや危機感はあると思いますが、踏切る勇気がないのです。ところで合併のデメリットは?

南後: 大局的にみればデメリットはほとんどありません。ただ合併すると加入金のアンバランスをどうするか、得な地域と損な地域が生まれてくる訳で、これらの解決には苦労はします。

牧島: それは市町村も一緒です。下水道料金も介護のサービスも全部違いますからね。


南後: しかし、それをおそれては何もできません。私達、インターネットも合併によって生じた黒字部分を還元させ、価格とクオリティに反映させ、加入者のニーズに応えています。

牧島: 具体的には。

南後: 合併によってCATYの地域は実質、月に500円のupとなりました。逆に藤沢は500円downです。そこで横須賀地区にはチャンネルを増やすサービスを提供して、理解を得た訳です。確かに標準化による混乱はないとは言えません。しかし敢えて挑戦しなければ改革はすすみません。

牧島: 地域コミュニティー放送もますます厳しい状況になっていますが。

南後: これはCATVも同じなのですが、小さなエリアではスポンサーにあまりメリットがないのです。

牧島: そうですね、あまり狭い地域だとコマーシャルの効果はないですね。

南後: そうなんです。ですから、湘南地区の放送も合併して、サテライト方式による合併が望ましいと思います。

牧島: わかっているのです。しかし、これも電波法の規制によって1県1局のFM放送なんていっているのです。馬鹿な役人の考えそうなことで改善できない。人口90万の山梨県にも1局、850万の神奈川も1局、東京は電波の渦。どうみてもおかしいですよ。

南後: こうした規制はどんどん緩和しなけりゃ民間の活力も生きてきませんよ。

牧島: 来年の目標は。

南後: ケーブル・フォンの開設を考えて、今準備しています。市内電話3分5円を目指して頑張っています。合併による大きなサービスをと思っています。

牧島: 鎌倉も含めた、もう一歩進んだ大合併も考えたいですね。

南後: 今も鎌倉にはJ−COMの光ファイバーが敷設されているのです。近い将来、必ずこの課題もテーブルにのると思っています。来年も飛躍の年となるように、お互いに頑張りましょう。

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