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  官から民へ。地方分権と行政改革遂行の視点から、基礎自治体や都道府県における指定管理制度が研究され、一部検討、発注されている。

  民間事業者にとっても、新たな企業展開の重要課題として熱い期待を抱いている。
  一方、行政にとっても補助金の削減や委託料の軽減の可能性に同様の期待が高まっている。

  良いことづくめの制度ではあるが、実施の手法や手続きの問題や知的財産に対する対価のシステムを構築していかないと、まさに絵に描いた餅となってしまう。そして、この危険性を敢えて指摘しなければならぬほど、官僚、役人社会の壁は高く、彼らの保身の技は精度が高い。

◆管理を民間委託へ。が、その実態は・・・

  横須賀市でも、この制度の実施に踏み切り、
    〔1〕 老人福祉センター ( 市内6ヵ所 )
    〔2〕 駅前駐輪場 ( 市内28ヵ所 )
の管理が発注された。

  老人福祉センターについては、公募の結果、応募団体は5。駐輪場に関しては、6団体が公募に応じた。

  しかし、残念ながら、予測どおり発注したのは既存の事業団体であり、公社であった。老人福祉センターは事業を受け持っていた横須賀市社会福祉事業団が、駐輪施設は横須賀市都市施設公社が、ともに4か年、3か年の管理者として、指定されたのである。民間公募者は異口同音に「結果について予測されていたが、これでは何のための民間公募なのか」と疑問の声を挙げた。
  「既得権のある第三セクターと民間ではハンディが大きすぎる。現業の管理者は指名からはずすのが公正ではないのか。民間が知恵とエネルギー、時間、費用をかけた企画はどこに行くだろうか。」不満を集約すると以上のようなものが挙げられる。
  確かに申請するために、条件に見合う資料の作成だけでも大きな経費がかかる。「審査の結果のみの知らせで全てがゼロになるシステムには納得のいかぬ」との声には無視できない。

  これでは今後の公募に際して応募する企業は皆無となるだろうとの予見は正しいものかも知れない。
  その上、民間のアイデアが対価ゼロで運用されたらまさに問題である。

 
  神奈川県でも発注の準備を進めている。代表的なものとして、厚木市七沢の七沢リハビリテーション施設である。ここには更生ホームや病院、ライトホーム等が存し、日本を代表する施設となっている。
  現在は、 ( 福 ) 神奈川総合リハビリテーション事業団が委託を受け、業務を執行している。
  県支出金は委託料73億円、補助金3億円の巨大事業である。更に職員数は1,200人に及ぶ巨大産業でもある。

  これが民間公募となって応募するところがあるのだろうか。甚だ疑問が残る。

  形だけの民間委託となりはしないか。とりあえず指定管理者制度を採用しましたという行政の言い訳では全く意味がないのである。

 

  併せて、 ( 財 ) 神奈川県協会が委託を受けている県立公園の管理にも、この制度によって公募されると聞き及んでいる。協会には委託料として約19億円が県から支出されている。公園協会は県の北端・相模湖公園から三浦三崎の城ヶ島公園まで20ヵ所を360人の職員で管理している。
  この業務が民間に委託をといっても、この広い神奈川県の公園を全て管理可能な民間業者が存在するのかといわれれば、きわめて難しいといわざるを得ない。
  しかし、一つひとつの公園を分割して公募したらどうなるのだろう。地元のボランティアや公園ゆかりの団体や組織が受注できる可能性は高い。

  更に、文字通り地域の公園として素晴らしいアイデアや活用の方法が提案されるだろう。

◆指定管理者制度の意義と運用
  前述したように、発注の手法や手続きを見直すことによって、当初の目的が達成される本来の制度の意義が生きてくる可能性はある。
  行政機関は制度の正しい運用と行革の道筋をしっかりと市民、県民に示し、納税者に理解を求めて欲しいものである。

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